- 長野市豊野で実際に起きたコウモリ被害の詳細と発生原因
- 「壁の中の音」やフンのサインが示す侵入の実態
- 専門業者による調査・追い出し・封鎖の具体的な流れ
長野県内で年間多数のコウモリ・害獣対策を手がける現場専門家。
地元SBCラジオ番組『もっとまつもと!』にも定期出演し、コウモリや野生動物の被害の実態と対策を伝えている。
【事例の概要】長野市豊野で発生した「壁の中の音」…その正体と被害の傾向
こんにちは。かわほりプリベント代表の山岸淳一 です。
夜、壁から聞こえる「カサカサ、バサバサ」、そして「キィキィ」「チチチチ」といった物音に悩んでいませんか? その正体が分からず、眠れない夜を過ごされている方もいらっしゃるかもしれません。
その音がコウモリだと知った時、そしてもし、その小さな影が突然、室内に現れたとしたら、想像を絶する不安とストレスに襲われることでしょう。 今回は、長野県長野市でのコウモリ駆除事例をご紹介します。
長野市のコウモリ被害の傾向と専門家の視点
私の経験上、長野市内のコウモリ駆除依頼には、ある傾向が見られます。
特にご相談が多いのは、稲葉、川中島、稲里、若穂綿内、篠ノ井といった地区です。これらの地域は、まさに犀川や千曲川の河川沿いですね。 コウモリは水辺でエサとなる昆虫を捕食するため、河川に近い環境はコウモリが多いのです。
意外にも、人口や建物が密集している長野駅周辺からのご相談は少ないです。
そして、高速道路や新幹線の高架橋周辺であったり、国道などの明るい主要道路から一本二本奥に入った、比較的静かで隠れやすい場所にお住まいの方からのご依頼も多い傾向にあります。 また、長野市内の別荘地域からのコウモリの駆除依頼もあります。
相談のコウモリの種類としては、アブラコウモリが多く、ウサギコウモリ、ヒナコウモリ、ヤマコウモリの事例がありました。 長野県には19種類のコウモリが確認されているので、相談事例になる種類はごく限られているということになります。
それでは今回は長野市のコウモリ駆除をおこなった事例の具体的な対応内容を紹介します。
長野市豊野I様邸|壁の中の「カサカサ音」とコウモリ被害の相談概要
今回ご紹介するのは、長野市豊野の住宅で実際に発生したコウモリ被害についてのご相談です。
遠方に住むI様が、ご実家に住むご家族のためにご依頼くださいました。
- ご依頼主:I様(長野市外に在住)
- 被害場所:長野市豊野のご実家(I様のお母様と妹様が居住)
主なご相談内容:
- 数年前から1階の壁で「カサカサ、バサバサ」といった音が断続的に続いていた
- 「キィキィ」「チチチチ」といった鳴き声が聞こえることがあった
- 1階と2階の壁の間から、何かが上下に移動するような音がする
- エアコン裏からコウモリが顔を出す場面を目撃し、室内出現の恐怖があった
- 屋外にフンの痕跡は少なく、侵入口が特定できず不安だった
- 他社では「侵入口不明」「壁の張り替え提案」など根本的な対策に不満があった
- 音は春~秋の明け方と夜に集中し、真冬や深夜は静かだった
建物に関する情報:
- 築40年ほどの木造在来工法の住宅
- 増築やリフォームの履歴があり、構造の継ぎ目が多い
- 敷地横に水路があり、虫が多く発生する好条件の立地
離れて暮らす大切なご家族のために、I様は数年越しの不安を解消したいと考え、当方にご相談くださいました。
私も、その想いにしっかり応えたいと考え、現地調査と対策に取り組むことになりました。
【1日目】調査開始|長野市豊野I様邸の現場に向かって
長野市豊野|壁の中から音がする家を徹底調査し、侵入口を特定
自然が豊かで住宅地としても人気の長野市豊野エリア。今回は「壁の中から音がする」というご相談を受け、I様邸の現地調査に伺いました。
豊野は、私にとっても過去に何度かコウモリ調査で訪れたことのある地域です。今回も塩尻ICから高速道路を経由し、須坂長野東ICで下車して向かいました。
道中、建設中のイオンモール須坂の横を通過しました。豊野駅の西側では複数の新築住宅が建設中で、自然と利便性を兼ね備えた魅力的な地域であることがわかります。

長野市豊野|コウモリの活動時間と立地条件を家族の観察で特定
調査当日、I様のご実家に到着すると、敷地のすぐ横を水路が流れ、家の前には広い庭が広がっていました。
この環境は、虫が発生しやすく湿度も高くなるため、コウモリが好む立地条件がそろっていました。
さらに注目すべきは、ご家族の細やかな観察記録です。I様のお母様と妹様が伝えてくださった情報は、時間帯や音の種類などが非常に的確でした。
「真夜中は音がせず、真冬もあまり音はしない。
春から秋にかけて、特に明け方と夕方から夜20時くらいまで、カサカサ、コソコソと音がしたり、
エアコンの隙間から顔を出すこともあった」
このように、コウモリの活動が活発になる時間帯(明け方・日没前後)と、実際の音の出現タイミングが一致していました。
ご家族の観察力のおかげで、音の原因がコウモリであるという確証を持って調査を進めることができました。
フンがなくても要注意|長野市豊野で発見された「わずかな隙間」からのコウモリ侵入
さっそく、建物の詳細な調査を開始しました。音がするのは1階の居間周辺だけでなく、2階の壁内部からもとのこと。
コウモリ以外に鳥などの可能性も含め、慎重に音源と侵入経路を探っていきます。
壁面や屋根まわりを一つひとつ丁寧に確認していく中で、複数の補修が必要な穴や隙間が見つかりました。
そのなかでも、特に気になったのは指2本ほどの幅の小さな穴です。周囲にフンはほとんど見られませんでしたが、経験上、最も怪しいポイントだと直感しました。
一般的にはフンが溜まっている場所が出入口とされがちですが、実際の現場では“痕跡が少ない場所”が侵入経路であることも多々あります。
長年の現場経験が、この微細な痕跡を見逃さない判断を支えてくれます。



長野市の天井裏で大量のコウモリフン|長年の営巣とねぐらの痕跡
天井板を軽く叩いたところ、内部でフンが転がる音が聞こえました。
許可をいただいて開口すると、奥から大量のコウモリのフンが雪崩のように落ちてきたのです。
観察すると、新しいフンと古いフンが混在しており、長期間にわたって巣として使われていたことが明らかでした。
このようなケースでは、徹底的な清掃と消毒が不可欠です。

マイクロスコープで壁内部を調査|音の原因とコウモリの移動ルートを可視化
1階と2階の壁の間で発生していた音から、コウモリが壁内を上下に移動している可能性が考えられました。
そこで私は、マイクロスコープ(胃カメラのような機器)を使用し、肉眼では見えない壁の内部を詳細に確認しました。
その結果、フンが落ちていた場所と実際のねぐらの場所が異なることが判明し、コウモリの移動ルートまで正確に把握することができました。
「壁の中の音の正体」を突き止めるには、専門機器による視認が極めて有効です。

外壁の換気口・隙間・配管を徹底調査|長野市のコウモリ侵入口を特定
調査は屋内だけでなく、外壁まわりの隙間や換気口、配管の接合部、エアコンダクトまわりまで徹底的に行います。
「コウモリはどこから入るのか?」という疑問に答えるには、一見すると問題がなさそうな場所まで、見落とさず確認する必要があります。


このような調査を通じて、I様邸には複数頭のアブラコウモリが生息していることが明らかになりました。
私はその場で調査結果をご説明し、侵入口に対する封鎖工事と駆除対策をセットでご提案。
ご家族にも納得いただき、後日、正式に作業のご依頼をいただく運びとなりました。
2日目:バットバルブ設置と封鎖開始|コウモリを傷つけず追い出す方法
「逃がして塞ぐ」戦略|再侵入を防ぐバットバルブと誘導の工夫
調査結果をもとに、必要な材料を準備し、日を改めて本格的な駆除作業に着手しました。
まず、メインとなる壁上部の侵入口に、一方通行の排出装置「バットバルブ」を設置。これは、内部からは出られても、外からは入れない構造で、コウモリを傷つけず安全に屋外へ誘導するための装置です。
装置の内部には、コウモリが好む匂い(忌避ではなく「外へ誘導する」ための香り)を塗布。これにより、自然な行動での退去を促します。
一方で、ハッカ系の強い忌避剤を屋内に噴霧する方法は、奥へ追い込んで死亡させてしまうリスクがあるため、私は採用していません。
「コウモリの追い出し方」にはいくつもの選択肢がありますが、建物にもコウモリにも負担をかけない方法が、長期的な再発防止にもつながります。

侵入は未然に防ぐ|まだ入っていない隙間もすべて封鎖
同時に行ったのが「隙間の予防的な封鎖」です。調査で見つかった隙間の中には、現時点ではコウモリの出入りは確認されていなくても、将来的に侵入経路になるリスクが高い箇所も複数存在しました。
コウモリの再侵入を防ぐには、こうした潜在的リスク箇所も初期段階で封鎖することが極めて重要です。
施工は闇雲に塞ぐのではなく、生態学的な根拠と建築構造に基づいて実施。耐久性のあるステンレスメッシュや専用のシーリング材を用いて、確実性と建物保全の両立を図りました。この日、すべての予防封鎖作業を終え、コウモリが「出られるルート」は確保しつつ、「他の隙間」は徹底して封鎖しました。


赤外線カメラで追い出し効果を確認|再侵入ゼロを証明する監視体制
主要な出入口や天井裏には赤外線暗視センサーカメラを設置しました。これは、暗闇でも動体を検知し撮影できる装置で、コウモリがバットバルブから出ていく瞬間や、新たな侵入がないかを正確に記録します。
この工程により、「コウモリがいた証拠」と「駆除効果の可視化」を両立。第三者にも確認可能なエビデンスとして機能します。

3日目:音が止まり安心の声|徹底清掃・最終封鎖で駆除完了へ
駆除作業から数日後、私は再びI様のご実家を訪れました。お母様と妹様が満面の笑みで迎えてくださり、こうおっしゃいました。 「あれだけ壁の中でガサガサ音がしていたのに、数日でピタッと音がしなくなったの。あれだけ悩んでいたのに、効果にびっくりしました。」 このお言葉は、私にとって何よりの喜びでした。
外周に設置した野生動物カメラにも新たなコウモリは映らず、建物内部にも新たなコウモリは撮影されず、建物内からすべてのコウモリがいなくなったことが確認できました。
最終工程として、押し入れから断熱材と共に落ちていた大量のフンの清掃と消毒、そして再侵入を防ぐための残りの隙間の補強作業(コーキング処理やステンレスメッシュやパンチングメタルなどによる物理的封鎖)を徹底して行いました。
これでコウモリ駆除工程がすべて完了です。念のため、2~3ヶ月後に再度お伺いして、施工後点検する予定ですが、この感じなら大丈夫でしょう。



「音が消えた」と届いた感謝の声|遠方のご家族にも安心を届けた施工
後日、I様から私に、温かいメールが届きました。そのメールのスクリーンショットがこちらです。

I様からのメールには、「母も妹も、今まで聞こえていたコウモリが動くような音が聞こえなくなり、とても安心して感謝しておりました。」という安堵の声や、「2階の天井と外部との隙間など、丁寧に対応してくださったとのこと。本当にありがとうございます。」といった具体的な感謝の言葉が綴られていました。
そして、特に心に響いたのは、「私自身は、離れており何もできませんでしたが、母と妹が安心して暮らせることに繋がり、山岸様には、とても感謝しております。」というお言葉でした。
遠方からご実家を心配するI様の深い愛情と、それに応えられたという実感。さらに「5年保証もあると聞き、さらに安心と感謝です。」というお言葉は、私が提供した対策が、単なるコウモリ駆除に留まらず、ご家族全体の長期的な安心に貢献できたことの証明になります。
長年コウモリの気配に悩まされ、安心して眠れなかった日々。しかし、今ではご家族皆様が穏やかな日常を取り戻されています。
長野市だけでなく、千曲市・須坂市・飯山市の方も、長野県全域で調査対応可能です
今回の長野市豊野I様の事例は、コウモリ被害がいかに深刻なストレスをもたらすか、そして科学的根拠に基づいた適切な調査と対策がいかに重要かを物語っています。
私は、単にコウモリを追い出すだけでなく、お客様の心から安心できる日常を取り戻すことを最優先に考えています。「コウモリ対策 費用」については、被害状況によっても築年数や増築の有無で侵入経路の複雑さが異なります。まずは詳細な調査ののち、お見積もりをご提案させていただいております。
長野市内だけでなく、長野県全域(長野市、松本市、上田市、佐久市、伊那市、飯田市など)で、もし壁の奥から聞こえる「コソコソ音」「ガサガサ音」や、コウモリの侵入、フン被害などでお困りでしたら、かわほりプリベントの山岸淳一にご相談ください。
お読みいただき、ありがとうございました。
ご自宅の被害状況について、気になる点があればいつでもご相談ください。
調査から対策提案、再発防止まで一貫して対応いたします。
ご自宅の被害状況について、気になる点があればいつでもご相談ください。調査から対策提案、再発防止まで一貫して対応いたします。
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