茅野市の高断熱住宅で発生したコウモリ被害と駆除対策事例

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山岸淳一(野生動物調査の現場でサーマルスコープを覗く姿)
山岸淳一

こんにちは。かわほりプリベントの山岸です。今回のコウモリのご相談は、長野県茅野市のお客様からです。

ベランダに落ちたフンから始まった被害|茅野市でのご相談内容

長野県茅野市にお住まいのご家庭から、「ベランダにフンが落ちていて、洗濯物が干せない」とのご相談をいただきました。

お話を伺うと、外壁タイル仕様の2階建て住宅で、築年数は10年未満とのこと。建物の断熱性能や気密性を重視して建てられた、いわゆる高気密高断熱の高性能住宅でした。

毎日使うベランダにフンが落ちているのは、本当に困りますよね。ご家族の健康や洗濯物への影響も心配になることと思います。

調査でわかったコウモリの侵入口と建物の特徴 (写真で解説)

現地を調査したところ、外壁とタイル目地のわずかな隙間から屋根裏へと続く侵入経路があり、そこを利用してコウモリが出入りしていました。このセクションでは、具体的な侵入経路や被害の様子を写真ギャラリーで詳しくご紹介します。

外壁の通気層を通じてベランダへフンが落ちる状態が確認され、天井裏とベランダにはアブラコウモリの死骸があり、定着が長期にわたっていたことがうかがえます。

また、ベランダの隅には明らかに侵入の痕跡といえるまとまったフンが確認でき、単なる立ち寄り(外壁休憩・専門用語でナイトルーストと言います)ではなく、侵入した継続的なコウモリの営巣であると判断しました。

【写真ギャラリー】茅野市コウモリ駆除:侵入経路と被害状況

長野県茅野市の住宅2階ベランダに大量に落ちたコウモリの糞の写真。通気層からの落下が確認される。

ベランダのコウモリ糞の被害の様子。糞が堆積している。侵入しているのか、夜に壁へ休憩(ナイトルースト)に来ているだけなのか、これだけでは判別が難しいです。

コウモリの糞が大量に溜まった住宅ベランダの隅をアップで撮影した写真

近づいて撮影しました。

糞がかなり壁際にまで落ちていますね。コウモリが夜に休憩にくるだけだとこうはなりません。壁内へ住みついている可能性が高いことを示唆しています。

外壁通気層に内視鏡を挿入し、コウモリの糞の蓄積を確認している現場調査の写真。

壁の中をマイクロスコープ(胃カメラみたいなもの)で、内部を見ていきます。壁の内部、それもかなり上部から糞が落下してきていることが判明しました。やはり建物内部にコウモリは住んでいます。

長野県茅野市の高気密住宅にて。外壁の通気層内部に胴縁が見えるものの、他の部分は開放されており、コウモリの侵入を許している。

糞が落ちてくる外壁通気層を真下からカメラで撮影してみました。木製の胴縁は見えますが、大きく黒い隙間があることが分かります。

これでは壁の中にコウモリが住みついたら、糞がベランダ床面にあふれだして落下するのは当然です。

代替テキスト

ベランダの別の場所には、コウモリの死骸が落ちていました。

コウモリの死骸があって、なおかつ糞が多数落ちている場合は、その住宅がコウモリの繁殖場所となっていることが多いです。

長野県茅野市の住宅外壁の隅にある天井との境目の様子。コウモリが侵入していた痕跡が確認された箇所。

ベランダの真上の外壁を見てみましょう。

一見すると問題なさそうですが、良く調べると、タイルの目地に約1センチ隙間がありました。

外壁タイルは、比較的良好だけど、タイルと壁の合わせ目がスポンジなので、コウモリが齧ってしまうんです。

拡大写真です。

このハウスメーカーの場合、タイルと外壁の隙間はスポンジで埋めてあることが多いです。白色がタイル、灰色がスポンジ、黒い部分が隙間なのですが、スポンジが明らかに傷んでいます。

コウモリが出入りしたことで傷んだのか、齧られたのか、原因は不明ですが、本来はもっとしっかりスポンジが入っています。

コウモリ駆除プロ業者の追い出しから封鎖・清掃までを写真と共に見る

まずは、コウモリ専用の一方通行ワンウェイデバイス(アメリカ製を日本のコウモリ仕様に独自改良したもの)を通じて夜間にコウモリを外へ誘導します。少しだけ、コウモリの好きな匂いをつけてあげることがポイントです。

この方法は、忌避剤などよりか、はるかにコウモリを傷つけることなく、合法的に、生き埋めにならないように全頭を追い出すための大切な工程です。

その後、建物の通気性と排水性を損なわないように細心の注意を払いながら、劣化した目地を中心に封鎖作業を行いました。使用した資材は、ステンレスメッシュと樹脂メッシュ、そして変成シリコンの組み合わせです。これらは耐久性が高く、コウモリの再侵入を効果的に防ぎます。

次に、赤外線センサーの暗視カメラを設置して、1週間ほど経過観察をします。コウモリが自然に出ていく時間を充分にとります。

後日来訪し、暗視カメラ映像と目視で、すべてのコウモリが出て行ったことを確認します。

新たなフンの落下もなく、すべての個体が屋外に出たことを確認。再侵入の恐れがないと判断し、ワンウェイデバイスを取り外して、隙間を埋めて、通気層の内部の糞の除去と消毒、そして通気層全体に樹脂メッシュを取付。これでコウモリも害虫も入らず、安心です。

最後に、タイル壁やベランダ床面の糞清掃と消毒を実施して、コウモリ駆除工事が全工程完了です。

【写真ギャラリー】コウモリ駆除の具体的な作業風景

長野県茅野市の住宅天井裏にあったコウモリの死骸と黒い糞

天井裏には、コウモリの死骸と糞が複数ありました。これは成獣の死骸です。

コウモリの幼獣のミイラ(長野県茅野市・天井裏で撮影)

天井裏を移動していくと、別の場所に今度はコウモリの幼獣の死骸がありました。この住宅の天井裏が繁殖場所となっていたことの証拠です。

コウモリを追い出すためのワンウェイデバイス(一方通行デバイス)を侵入口に設置した画像。

コウモリを追い出すために、ワンウェイデバイス(コウモリ専用の一方通行装置)を設置しました。

米国製をそのまま使うと、うまくいかないため、日本のコウモリ仕様に自分で改良を加えています。

1週間程で、すべてのコウモリが出て行ったことが確認できました。

茅野市の天井裏で、コウモリの糞や死骸を集塵機で清掃する作業員の手元の写真。

専用の集塵機を使って、コウモリの糞や死骸を丁寧に吸引していく作業です。

少しだけ霧吹きでアルコールを吹いてから、集塵機を使うと、殺菌にもなって、ダストが舞わずに済みます。

コウモリ駆除後の天井裏で使用される炭酸ガススプレーと専用の消毒器具の写真(茅野市)。

炭酸ガスに殺虫成分が含有されたボンベ型殺虫剤です。

天井裏など広範囲のコウモリ寄生虫(ダニ・ノミなど)に効果が期待できます。

長野県茅野市の住宅で、コウモリ対策後に清掃されたベランダの様子。黒い糞は完全に消え、清潔な状態。

1カ月後、洗浄と消毒を経たベランダは清潔に保たれ、糞一つない日常が戻りました。

コウモリ駆除後の点検確認の結果とお客様の感想

駆除工事が終わってから、お客様にお話を伺いました。

「コウモリの糞も落ちなくなり、かわほりさんに頼んで良かったです」と言っていただけました。

最終点検でも、しっかり隙間は埋まっており、他の侵入経路から入ることもありません。無事に5年保証をおつけすることができました。

ちなみに、工期は調査から完了点検まで、約3週間で4回の訪問作業となりました。手間はかかりますが、調査をしっかり行い、生態にあわせた手法ですべてのコウモリを追い出してから封鎖。そして清掃と消毒をして、一番最後に点検をする。ここは手が抜けないところでした。

コウモリ駆除対策の教訓|長野県茅野市の住宅で注意すべき点

高気密・高断熱住宅は、いったんコウモリが侵入すると住み着いてしまうことが多いです。不具合というよりも、構造上の隙間が深刻な侵入経路となります。

特にタイル外壁は目地の劣化が見落とされやすく、注意が必要です。

「洗濯物にフンが落ちている」「ベランダ周辺に異臭がする」といった小さな変化が、コウモリ被害のサインかもしれません。早めの対処が、被害の拡大を防ぐ鍵となります。

コウモリ駆除のプロ現場からのひとこと|専門業者かわほりプリベントの山岸より

今回の現場では、建物の高性能さがかえってコウモリの出入りを増やすことになり、被害が長期化していました。ただし、このような封鎖作業は、特に高気密住宅では、建物の通気構造を正しく理解したうえで慎重に進める必要があります。

これもポイントですが、ハウスメーカーによって、コウモリに弱い箇所、侵入経路のパターンがあります。今回のハウスメメーカー住宅も過去に何軒か手掛けさせていただいていていたため、完全な対策を打つことができました。

今回は、お客様に様々な配慮をしていただき、建設したハウスメーカーに私を推薦までしていただけました。お客様は本当に暖かいなあとつくづく思った現場でした。

茅野市でコウモリ駆除をご検討中の方へ|長野県の専門業者として

すべての作業完了後、かわほりプリベントでは【最大5年間の再侵入保証】をお付けしています。これは、作業の確実さに対する責任の証です。

長野県茅野市をはじめ、県内で同様のご不安がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。確かな知識と技術で、被害の再発を防ぎ、お客様に安心をお届けします。

長野県茅野市のコウモリ駆除対策のQ&A

Q
長野県茅野市ではコウモリの被害が多いのでしょうか?
A

はい、長野県茅野市でご依頼が多い地域は、大きく分けて3つあります。柳川、宮川、弓振川などの河川が近くにある地域、高速道路や国道近くで光が多くコウモリのエサとなる虫が多い地域、そして別荘地域です。寒い高原地帯という環境特性や住宅構造の影響もあり、コウモリ被害のご相談が毎年一定数寄せられます。

Q
コウモリを自分で駆除するのは法律違反になりますか?
A

コウモリは「鳥獣保護管理法」により保護されているため、許可なく捕獲・殺傷することはできません。殺すのではなく、「建物から出ていってもらう」という形なら、適法です。

Q
駆除業者に依頼すると、どのような流れで対策が進みますか?
A

茅野市を含む長野県内では、かわほりプリベントのような専門業者が、調査→追い出し→封鎖→清掃・消毒→再確認という流れで対応します。必要に応じて、一方通行のワンウェイデバイスや専用資材を用いた対策を講じます。

Q
どのような住宅がコウモリ被害を受けやすいですか?
A

今回の事例のような高断熱・高気密住宅やタイル外壁の家では、目地の劣化や通気層の構造から侵入されることがあります。特に新興住宅地の静かな環境は、コウモリにとっても居心地のよい場所となりやすい傾向があります。

Q
駆除後、再発を防ぐ保証はありますか?
A

はい、かわほりプリベントでは、建物の状況などによって最大5年間の再侵入保証をお付けしています。再発防止まで含めた確実な対策を行うことが、私たち業者の責任と考えています。

Q
茅野市以外でも対応していますか?
A

茅野市を含め、諏訪地域・蓼科高原・富士見町など周辺地域、長野県全域で対応しています。お気軽にご相談ください。

Q
料金を教えてください。
A

かかる費用は、いくらかなどは一概に言えません。住宅によって構造も被害もさまざまだからです。コウモリ駆除にかかる一般的な費用の目安などは、長野県のコウモリ駆除対策ガイドという記事に書きましたので、ご覧になってください。記事リンクはこちら

Q
ベランダにコウモリの糞があった場合、自分で安全に掃除する方法はありますか?
A

プロからのアドバイスです。コウモリの糞は乾燥すると粉塵が舞い上がり、それを吸い込むと健康リスクがあるため注意が必要です。

掃除する際は、まず霧吹きでアルコールを軽く吹き付けて糞を湿らせてから、キッチンペーパーで優しく拭き取るか、ほうきで静かに掃き集めてください。粉塵が広がらないようにすることが重要です。掃除後は、アルコールで消毒することを忘れずに。

コウモリ被害、もう悩まないでください!

長野県茅野市での事例をご覧いただきありがとうございます。
どんな小さな異変でも、まずは専門家にご相談ください。