私に依頼できない遠方や営業エリア外の方に知ってほしい。見積り調査でわかる本物のコウモリ駆除業者の探し方と選び方

この記事の執筆者・監修者

かわほりプリベント代表 山岸淳一

山岸 淳一 (Junichi Yamagishi)

かわほりプリベント代表。長野県を拠点に、コウモリや野生動物の研究をしながら、駆除対策の依頼には直接現場で対応している。動物と人間との間に生じた曖昧な境界線を整えることが使命。研究の専門領域は、長野県に生息するコウモリの生態研究(特に上高地や乗鞍高原など山岳地帯の希少種コウモリ)と、コウモリや野生生物の住宅や建築物への侵入メカニズムの解析研究。ハウスメーカー住宅から大学病院、重要文化財、古墳まで駆除対策の実績多数。SBC信越放送ラジオ「かわほり先生の生き物万歳」(毎月第4木曜)にレギュラー出演中。三度の飯よりコウモリが好き。

こんにちは。長野県でコウモリの生態調査と野生生物の建築物侵入メカニズムを専門に研究している、かわほりプリベント代表の山岸淳一です。長野県におけるコウモリ・野生動物対策の専門研究機関として、科学的エビデンスに基づいた正確な情報をお届けします。


今回の記事は、いつも書いているような、コウモリの生態や動物行動学の記事とはだいぶ違う内容になります。

今、この記事を読んでくださっている方は、コウモリの被害に悩んでいて、でも、かわほりプリベントの営業エリア外の、遠方地域の方だと思います。

「コウモリ駆除をお願いしたいけれど、実はすごく遠くに住んでいて……」

長年コウモリ対策の仕事をするなかで、こういったお話を、全国から何十回といただいてきました。

私は長野県のコウモリに向き合い、学術的な調査活動も続けているため、対応地域を限定しています。全国対応もしていません。せっかくのご依頼も、甲信越以外の遠方の方は、お断りさせていただくことが多いのです。

それでも、せっかく私のウェブサイトをみてくださった方には、なにか役に立つことをお伝えできないかと考えました。

そこで、この記事では、コウモリのプロである私からみた、じゃあどうコウモリ駆除業者を選んだらいいのかを、業界の構造と、信頼できる業者を見極めるための判断軸で、お伝えしたいと思います。

天井裏コウモリフン清掃・殺菌消毒作業
防護服を着用し、天井裏に溜まった大量のコウモリのフンを専用集じん機で徹底的に清掃・消毒している筆者。長野県内で撮影。

コウモリ業者の探し方、選び方30秒まとめ

  • コウモリ対策の成否は、業者のビジネスモデル(ネット仲介、何でも屋、地元専門)で決まります。誰が、どうやって利益を出しているかという構造を知るだけで、失敗の8割は防げます。
  • ネット広告の格安料金は、あなたの心理的な抵抗を下げるための撒き餌に過ぎません。30パーセント近い仲介手数料を回収するために、高額な追加費用を迫られる仕組みになっています。
  • 全国対応という言葉は、コウモリの分布を無視したものです。地域によってコウモリの種類も動きも違うため、一律のやり方では失敗します。全国対応と書いてある時点で疑うべきです。世界的な研究機関も、地元の生態を知り尽くした相手を選ぶべきだと定めています。
  • 見積もり時に、道具、時間、回答、責任体制の4つを直接確認してください。口先の言葉ではなく、この目に見える証拠だけで判断すれば、騙されることはなくなります。

ネット広告の違和感と、信頼できるコウモリ駆除 業者の選び方

コウモリ駆除で検索すると、社名は違うのに、同じような作りのサイトが並ぶ恐怖

ネットで「コウモリ 駆除」といったキーワードで検索していただくと、いくつものコウモリ駆除業者のサイトがズラッと並びますよね。

そして、それらを見比べて、不気味な「違和感」を抱きませんか?

どのサイトを開いても、顧客満足度No.1や年間実績〇万件という金ピカの王冠マークの横で、やたらと綺麗な作業着で、ガッツポーズを決めている作業員。

赤や黄色の派手な文字で、9,800円から、地域最安値、最短30分で到着、今なら20%オフ!と急かすような言葉が並んでいる。

まるでコピー機で量産したかのように、どのサイトも構成が全く同じに見えます。地元感の無さ、リアルさのない画像たち、その画面から漂う「薄っぺらさ」に、人間の本能が警鐘を鳴らしているはずです。

あなたのその直感は、コウモリ対策の研究者兼プロの私から見ても、完全に正しいものです。

ああいったネットのサイトは、コウモリの専門家が作ったものではなく、IT集客企業があなたに「電話をかけさせるためだけ」に作った罠、いわゆるランディングページです。

国民生活センターの警告。適正な費用と悪徳業者の手口 / ぼったくりの実態

2025年3月4日公表、国民生活センターによる格関広告をきっかけとした高額請求トラブルへの注意喚起画面のスクリーンショット。全国各地で発生している悪質な手口への警鐘が記されている。
2025年3月4日、国民生活センターは全国に向けて格安広告による高額請求トラブルの注意喚起を出しました。数百円の安値で家に入り込み、最終的に数十万円を請求する手口は、コウモリ駆除においても全国共通で横行している極めて深刻な問題です。

格安というので業者を呼んだら、とんでもない額を請求された。これは決して大げさな話ではありません。国も明確なデータと警告を発しています。

2025年3月4日、国民生活センターはウェブサイト上の害虫駆除の格安広告をめぐるトラブルについて、極めて具体的な注意喚起を公表しました。

実際の被害例として、「約500円から」と広告に書いてあった業者に電話で依頼したところ、作業後に約20万円を請求されたケースや、「約1,000円から」という記載を見て呼んだ業者が、たった8畳の部屋の作業で約50万円を請求してきたケースなどが報告されています。

国民生活センターは、こうした手口に対し「3ケタ台など極端な格安料金で依頼できることはまずありません」と、その嘘を公式機関として断言しています。

さらに、「不安をあおるなどしてその場で契約をさせようとする」と強い警告を発しています。

お気づきでしょうか?

ウェブ割引、無料見積もり、最短到着、格安料金をエサに家に上がり込み、密室状態で不安を煽って、その場で高額な契約を迫る。

このパターンは、対象がゴキブリからコウモリに変わっても全く同じマニュアルと構造なのです。

うちの屋根裏は大丈夫だろうかと不安を抱える消費者の心理と、せっかく来てもらったのだからという心理につけ込む手口です。

(出典 外部リンク:独立行政法人国民生活センター https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20250304_1.html

業界の3形態と業者の見極め方。あなたの家にやって来るのは誰か

なぜ、彼らは、「専門家だ」「プロだ」と平気で嘘をつき、不安を煽って高額請求ができるのか?

それは、彼らには、そうしなければならないシステムがあるからです。

例えば、コウモリ駆除業界は、大きく以下の3つに分けられます。

施工部隊を持たない、中抜きだけをするネット仲介サイト
検索上位を独占する、IT企業が運営する集客専用サイトです。自社で施工は一切行わず、依頼を下請けに丸投げし、高額な仲介手数料を中抜きすることを目的としています。マッチングサイトや一括見積サイトもこれに当たります。
プロや専門家を名乗る「何でも屋」
一括見積サイトや業者マッチングサイトに登録し、現場にやってくる下請け業者です。サイトや日によって「コウモリ駆除のプロ」、「エアコン掃除のプロ」、「庭木伐採のプロ」と都合よく看板を掛け替えているだけの、作業代行業者や便利屋、ハウスクリーニング業者です。
地域密着の野生動物の専門業者
害虫・害獣対策特化の専門業者です。地元に根ざし、作業は自分たちで行う業者。エリアを限定しているので、その地域の生物に詳しく、対策手法もその地域の気候や建築構造にあったものを行う。その代わりに全国展開は基本しないので知名度がない。専門用語では、ワイルドライフコントロール業者やペストコントロール業者と言います。

ネットのマッチングサイトや仲介サイトに登録すると、お客様に無理な追加費用を迫らざるを得ない経済的理由

ネットで見かける、見た目が同じようなサイトの業者のほとんどは、1の仲介業者と2の何でも屋の結託によるものです。

彼らのビジネスモデルでは、2の下請け業者は売上の約20〜30%を仲介手数料として、1のサイト運営会社に支払わなければなりません。

その20~30%というお金は、依頼したお客様が、駆除工事代金の一部として支払うことになります。そして、下請け業者を通って、集客サイトやマッチングサイトに仲介手数料名目で、支払われます。お客様の工事に使われることはありません。

さらに、ここで考えてみていただきたいのです。

売り上げの2~3割という金額を持っていかれてしまって、質の良い仕事ができるでしょうか?

彼らネット業者が、研究コストもなく専用機材も持っていないにもかかわらず、専門業者よりも高額な費用を請求するのは、この中抜き手数料システムと、都合よく看板を付け替えるビジネスモデルであることが理由です。

つまり、彼らは、専門的な良い仕事をすればするほど、赤字になるというシステムに組み込まれているのです。 

地域に根付いた本物の業者が一括見積もりサイトに登録しない理由

技術と実績を持つ地元の専門業者は、過去の施工実績や地元での信頼、紹介だけで十分に仕事が回ります。

売上の2〜3割という高額な手数料を搾取され、知識のない素人の便利屋たちと価格競争をさせられるようなサイトに、本当のプロが登録する必要はありません。

誰だってよく考えればわかるのです。20~30%も取られてしまっては、専門性と技術が必要な世界では、技術を高め、最新の知見に基づいた対策なんて、できないということを。

結局、そういうサイトで登録してやっている業者は、コウモリの専門機材や研究などできず、適当な仕事しかできません。

実際に私もそういうサイトには登録したことがありませんし、私の仲間の業者の中で、技術力がある業者たちは、誰もマッチングサイトや一括見積サイトに登録をしていません。

地域ですでに実績がある専門企業が、手数料20~30%も払って、素人業者たちと価格競争までして、マッチングサイトに登録する意味は、一ミリもないのです。

コウモリの地域性が証明する全国対応の罠。生態理解なき施工に専門性は宿らない。

まず、どんな仕事もそうですが、何でもやる業者には、その道の技術は身につきませんよね。皆さんの仕事もそうだと思います。どんな簡単な仕事でも、ひとつの道は奥が深いものです。

ネット業者の彼らに、決定的にコウモリの専門知識が欠如している理由がそれです。害虫駆除・害獣駆除・ハウスクリーニング・樹木伐採・ゴミの片づけ・リフォームなどなんでも受ける。しかしそれは、プロの仕事ではなく、作業の代行という結果にしかなりません。専門知識や技術は身に付きません。

その証拠が、彼らがうたう全国対応という言葉です。

日本には35種のコウモリが生息していますが、地域によって分布は全く異なります。

日本には、建物を利用するコウモリは10種ほどおり、種によって生態が異なります。

例えば住宅侵入被害で一番多いアブラコウモリは、一回の出産で2〜4頭産み、建物から出るときには落下するスピードをつけてカーブを描いて飛び出す特性があります。

長野県麻績村で撮影された、金属製のメッシュの上で休む冬毛のアブラコウモリ。超音波を出して周囲の状況を把握しようと、鼻先を少し上に向けた様子。
長野県麻績村にて、冬毛をまとい鼻を上げて周囲をマッピングしようとするアブラコウモリ。これは住宅に良く侵入する典型的なコウモリです。
長野県内の現場で、天井のわずかな隙間に爪を掛けて逆さにぶら下がり、内部へ侵入しようとするアブラコウモリの決定的瞬間を捉えた写真。
長野県で撮影した、アブラコウモリが建物へ侵入する瞬間の証拠です。彼らは単に壁を這い上がるだけでなく、鋭い爪を天井に引っ掛けてアクロバティックに隙間をこじ開けます。こうした現場のリアルな生態を知ることで、ようやく正確な対策を立てることができます。

一方、山間部や別荘地で被害が多いウサギコウモリは、一回の出産で1頭しか生まず、ホバリングが得意で飛び出しに急降下を必要としません。

このようにコウモリの種類が違えば、生態も行動特性も、建物の侵入経路も、守るべき保護法規制も180度変わります。

体長に匹敵するほどの巨大な耳を垂直に立てたニホンウサギコウモリの正面図。白っぽい腹部の毛と、大きな耳の複雑な脈構造が見て取れる。
ニホンウサギコウモリ(学名:Plecotus auritus sacrimontis)。圧倒的な長さの耳が最大の特徴。冬眠時にはこの耳を翼の下に折りたたんで収納する。長野県の別荘地や古い家屋でも見られる。長野県松本市で撮影。

コウモリの種類を特定できなければ、どこをどう対策するのが正解か判断できるはずがありません。

地域にどんな種類のコウモリがいるのか判断できなければ、正しい対策はできません。

全国どこでもをうたうネット業者は、それを知らないのです。それを自ら証明してしまっていることにも気づかないのです。

コウモリの本物の専門家が責任を持てる対応エリアとは、自分がよくわかっている地域から近いエリア、例えば隣接県や同一地域ブロックが限界です。

それは、その土地の生態系に精通し、再び被害が起きた時にすぐに駆けつけられる距離にいるという、プロとしての責任にも直結するからです。

世界基準の指針とのズレ。スプレーで追い出したり、即日施工する業者がいるのは、日本だけという悲惨な事実 

コウモリの研究が日本よりもはるかに進んでいる海外において、信頼できる専門業者の選定は、ネットの曖昧な口コミなどには依存しません。

世界的な権威を持つ学術的な団体が、業者が満たすべき要件を明確なガイドラインとして定めているからです。

世界的なコウモリ保護・研究機関であるBat Conservation International(BCI)は、家屋におけるコウモリ対策の基準を明記しています。主要なガイドラインは以下の通りです。

・超音波装置の科学的否定(超音波による排除方法は効果が証明されていない)

・「夜に出たら塞ぐ」「即日対応」という単純封鎖の禁止

・排除装置(一方通行の出口)は最低でも7日間は設置し続けること

・対象となるコウモリの種、および育児期などの季節ごとの活動サイクルに精通していること

BCIが業者選定で最も重要視しているのが、「対象となるコウモリの種、および育児期などの季節ごとの活動サイクルに精通していること」です。

この生態知識を持つ地元の専門業者であれば、効果のない超音波機器を売りつけたり、無謀な即日施工を行ったりする危険性がないからです。

地域性、コウモリの種類、建物の状況、季節、こういったことを無視して「最短20分で駆けつけてその日にスプレーで追い出して隙間を塞ぎます」と謳う業者は、世界基準のガイドラインにおいても、さけるべき業者に他ならないのです。

(出典:Bat Conservation International 外部リンク→ https://www.batcon.org/about-bats/bats-in-homes-buildings/

 実名と実績の公表がポイント。本物のコウモリ駆除業者とおすすめできない業者の境界線

そのサイトの業者がどうかを見分ける、非常にシンプルで強力な方法があります。

例えば、整骨院やクリニックのウェブサイトは、どの例外なく、院長やスタッフの紹介があり、経歴や実績が記載されていますよね?専門家のサイトというものは、普通そういうものです。

技術者や専門家として仕事をするなら、自分の顔と名前、そして実績を公開するのは当たり前のことです。

本物のコウモリの専門家やプロを名乗る会社であれば、代表者や責任者が必ず実名を出して活動し、コウモリの研究や実績が公表されているはずです。依頼しようとしている業者のサイトをよく見て、確認をしてください。

逆に言えば、そうではないサイトは、誰が来るかわからないコールセンターであったり、サイトによって「〇〇のプロ」と看板を使い分ける人間がやってくる可能性が高いということです。

また、口コミを見るなら、星の数や点数ではなくて、その口コミの中身が「コウモリや野生動物、害虫駆除」のことについてだけ書かれているかを確認しましょう。ハウスクリーニング、ゴミ片付け、樹木伐採、引っ越しなど、野生動物の専門性と関係がない口コミがあったら、本当に要注意です。

見積もり調査で見極める。信頼できるコウモリ駆除業者、4つの比較基準

自分で業者を探し出し、いざ見積もりに来てもらった時。話してみると、プロだと思っていたのに、実はコウモリの生態を知らない素人業者だった。

こういった業者に依頼する地獄だけは、なんとしても避けなければなりません。勇気をもって、断りましょう。業者が見積調査に来た時に、本物のプロかどうかを見極めることができるのは、あなただけです。

ここからは、見積調査に来た業者を、その場でプロかどうかを見極めるポイントをお伝えします。

まず、見積もりを取る真の目的は、金額を見ることではありません。以下の4つの基準で、大切な建物を任せられる本物のプロかどうかを見分けるためです。

基準1. 道具:専門的な調査機材への投資をしているか

道具:専門的な調査機材への投資をしているか

サーマルスコープ、バットディテクター、サーモグラフィカメラ、暗視カメラなどコウモリの専門的な道具を持参しているかを確認してください。目視だけで済まさず、人間に見えないものを見るための道具に投資をしているかが、専門性の証になります。

生態に合わせた「日没前後」に調査しているか

コウモリは夜行性です。巣から飛び出す日没前後に調査を行っているかが重要です。温度や天気で飛ばないことはありますが、夜行性の動物の調査であるにもかかわらず、最初から昼間に調査に来る業者は強く警戒すべきです。

自身の言葉で正確に説明できるか

このコウモリは何科ですか、この地域にコウモリは何種類いますかといった質問に対し、自分の言葉でスムーズに淀みなく答えられるかを確認してください。付け焼き刃の知識しかない人間は、しどろもどろになります。事前にチャットGPTなどのAIに、コウモリの専門家なら知っているはずの質問を考えてもらいましょう。

調査から施工まで責任の所在が明確か

実際の作業は誰が行うのかを確認しましょう。調査に来た担当者が実際の作業も行うのか、会社の別の作業員が行うのか、協力会社という下請けに出すのか。ここをはっきりさせるのかポイントです。

ネットの集客サイトや仲介サイトを利用した場合は、特に注意です。駆除に失敗したときに、誰が窓口になって最後まで責任をもってくれるのかでトラブルになります。

実際に工事した会社は連絡が途絶え、仲介サイトや集客サイトに連絡しても、紹介しただけだからと言われて途方に暮れている人たちの声が、ネットにはたくさんあります。

危険な業者は、その場で見積金額を提示し、その場で契約を迫ってきます。これは考えさせる時間を与えずに、すぐ工事を始めたいからです。

どれだけ良さそうな業者であっても、その場で契約書にサインだけは絶対に避けてください。必ず、一晩考える時間をおきましょう。

長野県の現場にて、建物侵入前に周囲を旋回(スウォーミング)するコウモリの熱源をサーマルスコープで捉えた映像。肉眼では見えない侵入直前の動きを可視化している。
コウモリが建物へ侵入するときに周りを何度も旋回します。長野県の現場で撮影したこのサーマルスコープ画像には、肉眼では決して見ることのできないその特有の動きが鮮明に記録されています。コウモリ対策のプロは、こうした高度な調査機材を使いこなして初めて、正確な状況把握が可能になります。

家という資産を守るための「適正価格」と専門家の長期的視点

ここで誤解しないでいただきたいのは、費用の大小についてです。

コウモリ対策で数十万円の費用がかかること自体は、ぼったくりではありません。

例えば、プロが数ミリの侵入経路を正確に見極め、確実に塞ぐためには、高度な専門技術が必要です。

そこには、技術を維持するための研究コスト、作業時の安全対策コスト、特殊な化学材料や建築資材の費用、コウモリ専用の調査機材コストなどが含まれます。高い建物であれば足場費用も必要です。建物の資産価値を守るための適正な投資として、専門家が動けば数十万円はかかるものなのです。

高いから悪なのではありません。嘘の入り口価格で釣って、現場で恐怖を煽り、必要ない工事や意味のない対策を実施して、金額に釣り上げる仕組みそのものがぼったくり、悪なのです。

大切な家と家族を守るのは、業者の言葉ではなくあなた自身の「知識」

格安広告の罠を常に疑ってください。考える時間を奪い、その場での契約を迫る業者は、迷わず拒絶してください。誰が見立て、誰が施工し、誰が名前を出して責任を取るのかを、必ずご自身の目で確かめてください。

本物のコウモリの専門家は、コウモリの話を聞かれたら嬉しくて喋りたくてうずうずするものです。遠慮せずにどんどん質問してください。

必ずご自身の住んでいる地域、せめて関東や甲信越などの同一地域ブロックの中で業者を探してください。検索する際は、ハウスクリーニングや便利屋などを兼業していない、地域に根差した害虫や害獣の駆除専門業者に候補を絞ることです。

そして、その候補の中から、さらにコウモリの知識があり、対策に強い本物の業者を探し出すのです。そのためには、決して業者任せにするのではなく、あなた自身がコウモリの知識を増やし、自らの目で業者を見極めるしか道はありません。

プロに頼むのにそこまで自分で調べないといけないの、と思うかもしれません。しかし、何千万円もかけて建てた大切な家と、家族の安心な暮らしを守るための重大な選択です。自ら知識をつけて防衛するのは、当然のことではないでしょうか。

この記事で得た知識を盾にして、コウモリに詳しい業者を、ご自身の手で選び抜いてください。

以下に、知識をつけるための厳選記事を書いておきます。ぜひ読んでいただき、業者を見極めてください。

お読みいただき、ありがとうございました。良い業者さんとご縁があることを、長野の山の中から願っています。

この記事の執筆者・監修者

かわほりプリベント代表 山岸淳一

山岸 淳一 (Junichi Yamagishi)

かわほりプリベント代表。長野県を拠点に、コウモリや野生動物の研究をしながら、駆除対策の依頼には直接現場で対応している。動物と人間との間に生じた曖昧な境界線を整えることが使命。研究の専門領域は、長野県に生息するコウモリの生態研究(特に上高地や乗鞍高原など山岳地帯の希少種コウモリ)と、コウモリや野生生物の住宅や建築物への侵入メカニズムの解析研究。ハウスメーカー住宅から大学病院、重要文化財、古墳まで駆除対策の実績多数。SBC信越放送ラジオ「かわほり先生の生き物万歳」(毎月第4木曜)にレギュラー出演中。三度の飯よりコウモリが好き。

※この記事は遠方の方へ向けて執筆しましたが、もしあなたが私の対応エリア(長野県内・甲信越ブロック)にお住まいであれば、話は別です。

あなたの家は、私が直接現場へ赴き、責任を持って守り抜きます。
本当のプロの調査をご希望の方は、以下よりご相談ください。

コウモリ知識のための厳選記事一覧

コウモリ駆除業者の選び方FAQ

Q
ネット広告にある「数百円から」という格安のコウモリ駆除料金は本当ですか?
A

いいえ、国民生活センターも注意喚起している通り、そのような極端な格安料金で作業が完了することはありません。数百円や数千円の広告価格は、訪問のきっかけを作るための集客手法に過ぎません。実際には現場で不安を煽り、数十万円の高額な契約を迫る手口が全国で報告されています。コウモリ対策には専門機材や高所作業、資材費が必要なため、適切な施工には相応の費用がかかるのが実態です。

Q
全国対応を謳うコウモリ駆除業者に依頼するデメリットは何ですか?
A

日本には建物を利用するコウモリが約10種生息しており、地域によって分布する種類が異なります。種類が違えば行動特性や侵入経路、法規制への対応も変わりますが、全国対応の業者はこうした地域ごとの生態を把握していないケースが多いためです。また、多くの全国対応サイトは実態がIT集客企業であり、実際の作業は下請けの便利屋が行うため、技術力に大きな差があります。

Q
ネットの仲介サイトや一括見積サイト経由で依頼すると、なぜ費用が高くなるのですか?
A

紹介された業者が、サイト運営会社に対して売上の20パーセントから30パーセント程度の仲介手数料を支払う構造になっているためです。この手数料は最終的に利用者が支払う工事代金に含まれますが、実際の作業品質向上には一切使われません。下請け業者は手元に残る利益が削られるため、利益を確保するために無理な追加工事を提案したり、作業時間を短縮したりする動機が働きやすくなります。

Q
見積もり調査の際、どのような点を確認すれば信頼できる業者か判断できますか?
A

以下の4つの基準を確認してください。第一に、サーマルスコープやバットディテクターなどの専門的な調査機材を使用しているか。第二に、夜行性であるコウモリの動きを確認するために日没前後の調査を提案するか。第三に、対象となるコウモリの種名や生態について、自身の言葉で正確に説明できるか。第四に、調査担当者が施工まで責任を持つ体制か。これらが曖昧な業者は避けるべきです。

Q
コウモリ対策で世界的に推奨されている基準はありますか?
A

国際的なコウモリ保護研究機関であるBat Conservation International(BCI)がガイドラインを定めています。この基準では、科学的根拠のない超音波装置の使用を否定し、コウモリを閉じ込めるリスクのある即日施工を禁止しています。また、排除装置を最低7日間は設置し続けることや、地域の育児期などの活動サイクルに精通した業者の選定を推奨しています。

Q
コウモリの追い出しや対策において、業者は狩猟免許を持っている必要がありますか?
A

コウモリを建物から追い出したり、侵入を防ぐ対策を行ったりするだけであれば、法的に狩猟免許は必須ではありません。

しかし、野生生物の有害駆除に精通している業者の多くの場合、狩猟免許を所持しています。

特に、私のように学術的な捕獲調査も行う人間は、鳥獣保護管理法に基づく捕獲許可を得るために免許を所持していることが一般的です。

Q
コウモリを自分で捕まえたり、処分したりすることは法律で禁止されていますか?
A

はい、法律で厳しく制限されています。コウモリを許可なく殺したり傷つけたりすること、あるいは捕獲することは、鳥獣保護管理法(鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律)により禁止されています。また、動物愛護管理法においても不適切な扱いは禁じられています。これらに違反すると罰則が科される可能性があるため、対策は必ず法律と生態の知識を持つ専門業者に依頼してください。

(参照:環境省 野生鳥獣の保護及び管理 https://www.env.go.jp/nature/choju/index.html ) (参照:環境省 動物の愛護及び管理 https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/1_law/aigo.html