長野県安曇野市の住宅にコウモリが大量に住みつき、外壁の汚染や不衛生な糞尿被害が発生。現地調査で妻飾りの隙間から長年にわたり約20頭が侵入していることが判明。
かわほりプリベントが科学的な根拠に基づき、コウモリ被害を解決した実際の施工記録です。
まずは、安曇野市のコウモリ被害相談が多い地区を見てみます。
安曇野市のコウモリ被害集中エリア(豊科・三郷・穂高)と発生パターンの実態
安曇野市はコウモリに関するご相談が比較的多い地域ですが、その内訳を精査すると、特定の地区に依頼が集中している実態があります。
とりわけ相談頻度が高いのは以下の3地区です。現在、安曇野市民から「かわほりプリベント」に寄せられる相談の約8割が、これらの地区に集中しています。
豊科高家地区:犀川流域の餌資源と新築住宅への被害
梓橋から安曇野インターチェンジ付近は、昔からコウモリの相談が多い地域です。実際に夜になるとかなりの数のアブラコウモリが飛んでいるのを見ることができます。相談が多い理由としては、犀川があり、そもそもコウモリの餌となる虫の発生が多いことが考えられます。
新築の住宅での被害相談が多いのもこの地域です。
三郷明盛地区:田園地帯と重厚な既存住宅にみる生息密度
古くからコウモリの生息密度が高い地域です。築年数の経過した重厚な住宅が多く、コウモリの侵入被害が後を絶ちません。その背景には、広大な田園地帯と網の目のように流れる用水路があり、餌となる昆虫が豊富に供給される生態的条件が整っていることが挙げられます。
興味深いことに、隣接する三郷温(みさとゆたか)地区へ移動するだけで、アブラコウモリの個体数は劇的に減少する傾向にあります。
穂高地区:平地のアブラコウモリと山麓部の森林性種による被害の違い
穂高周辺は、その環境によってコウモリの発生パターンが明確に二分されるのが特徴です。
- 平地部(穂高駅周辺・柏原〜高瀬川流域)
- 広域農道から高瀬川付近にかけては、アブラコウモリの生息密度が極めて高いエリアです。
- 河川、用水路、田園が混在し、餌となる昆虫が大量に発生する、コウモリにとって最適な生息環境が形成されています。
- 山麓・別荘地域
- 林間部に位置する別荘地からの相談も後を絶ちませんが、ここではアブラコウモリ以外の種(森林性コウモリなど)による被害が約半数を占めます。
- 「屋根裏への定着」だけでなく、「カーポートへの一時的な飛来」や「夜間の鳴き声による不安」など、相談内容が多岐にわたるのが特徴です。
穂高地区においては、まず「どの種が関与しているか」を正確に特定しなければ、有効な対策を講じることは困難です。
安曇野市のコウモリ対策は、その土地の環境(河川・田園)と住宅構造の相関を知ることから始まります。地域ごとの生態を無視した一律の対策では、根本解決は望めません。
築20年住宅のコウモリ対策|安曇野市のお客様の経緯

外壁の妻飾りから屋根瓦にコウモリの糞が落ちるという悩み
安曇野市の築約20年の木造住宅、切妻屋根の夏の事例です。
お客様が、外壁の妻飾り(格子状の装飾)の下に黒い糞が落ちていると気づいたのは数年前ということでした。
最初は何の糞なのかわからなかったそうですが、たまたま妻飾りの中に黒い毛むくじゃらの生き物がいるところを見て、「コウモリだ!」とわかったそうです。
市販の忌避剤・超音波装置では「コウモリ被害を止められなかった」という事実
さっそく対策として、網をかけたり、ホームセンターに行って、コウモリに効果があるという超音波機器やコウモリが嫌がる忌避剤を買ってきたそうです。
しかし、一向に効果は現れず、その間にもコウモリは建物の深部へと侵入を続けていました。
「そのうち効果がでるだろう」という期待と、「冬になるとコウモリの糞がなくなるから、いなくなったのだろう」という認識で、そのまま数年続けてしまったそうです。

数年間の「放置」が招いた、コウモリの繁殖と爆発的な糞尿被害
そして数年たった夏、突然妻飾りの下に大量の糞が落ちだしたそうです。昨年の何倍もの糞が溜まりだしたため、これはまずいとコウモリ駆除を依頼したということでした。
コウモリ駆除業者の専門調査結果|約20頭の生息と天井裏内部まで侵入を確認

断熱材下に蓄積した大量の糞と建材への物理的ダメージ
専門調査により、妻飾りの隙間を抜けて天井裏まで侵入していることが判明しました。
天井裏を私が確認すると、断熱材の下には約20頭のアブラコウモリが潜んでおり、断熱材を著しく汚染していました。「外壁の妻飾りにいるだけ」というお客様の認識を覆す、深刻な内部被害です。
忌避剤や超音波でお茶を濁してしまった数年間のダメージでした。お客様も「効かないなあ」と思っていたようなんですが、やはり寒くなると糞が落ちなくなるので、それで放置してしまったようです。
冬に糞が落ちなくなるのは、いなくなったからではなく、建物のより深い場所(断熱材の中など)でじっとしているだけです。この『沈黙の期間』こそが、最も建材へのダメージが進行する時期でもあります。
科学的根拠|市販の忌避剤や超音波でコウモリ被害を防げなかった理由
コウモリ忌避剤に対して、動物行動学における「馴化」とCDCによる否定的見解
ホームセンター等で手に入る「袋タイプの忌避剤(ハーブ等)」や「超音波装置」。これらを用いたお客様の対策が、全くコウモリに通用しなかったのには、明確な科学的根拠があります。
動物行動学による「慣れ(馴化)」と「動機付け」の逆転
動物行動学の研究で、動物には「自分に危害が及ばないと判断した不快刺激を無視する馴化(じゅんか)という学習能力」があることがわかっています。
「不快」より「生存」を優先する
コウモリにとって、一度定着した断熱材入りの屋根裏は、冬の寒さを凌ぎ、外敵から身を守るための「最重要リソース」です。多少ハーブの匂いや嫌な音がしても、住む場所を失うリスクに比べれば、我慢して住み続ける方が彼らにとって合理的(得策)なのです。
刺激は背景化する
魚やシカなど多くの生き物の忌避研究で証明されているのですが、痛みや中毒を伴わない刺激は、数時間から数日で「ただの背景」として処理されることがわかっています。
最初は驚いて逃げたとしても、すぐに「実害はない」と学習され、元のねぐらに戻ってしまいます。
世界の公的機関による否定的な見解
この行動学的な理論を裏付けるように、世界的に権威のある保健機関であるCDC(アメリカ疾病対策センター)の公式ガイドラインでは、以下の結論が明記されています。
「超音波装置および化学的忌避剤は、ねぐらからコウモリを排除する手段として効果的ではない」
(Ultrasonic devices and chemical repellents are not effective for eliminating bats from a roosting area.)
結論:忌避剤の効果が見られなかったらすぐに対策を変えること
今回の事例のように、糞の落下が止まらない時点で「不快な刺激で追い出す(忌避)」というアプローチには限界があります。
動物の心理を変えようとするのではなく、物理的に「入れなくする(封鎖)」。これこそが、動物の習性と科学的根拠に基づいた唯一の解決策です。
コウモリ駆除の施工工程|基本プロセスと独自の工夫
以下の専門工程を経て、根本解決を図りました。


専門の調査機器で、侵入経路の特定と被害状況を把握しました。
米国製のコウモリ専用追い出しデバイスを設置。自然に、コウモリを傷つけずに追い出しました。
1頭も残っていないことを赤外線暗視カメラで確認。
妻飾りを一時撤去し、侵入口を物理的に封鎖。その後、補修し洗浄した妻飾りを取り付けなおします。
天井裏の糞を完全に除去。アレルギーの原因となる糞を除去することは大切な作業です。
コウモリに寄生する吸血性ダニが人間やペットを刺さないように、安全で効果的な薬剤で殺虫消毒
工事の結果|プロのコウモリ対策により駆除完了
物理的封鎖でコウモリが「二度と侵入できない」構造へ


全ての隙間を物理的に閉鎖したことで、再侵入は不可能となりました。外壁の汚れも洗浄・補修し、復旧を完了しました。
お客様もこれで安心して眠れると喜んでおられました。ありがとうございました。
安曇野市近郊のコウモリ駆除業者をお探しの方へ
本事例の安曇野市に隣接する松本市、大町市、松川村、池田町、筑北村、生坂村などの周辺エリアでも同様の調査・対策を行っています。長野県全域、新潟県の一部、山梨県の一部、岐阜県の一部で対応しております。
松本市、塩尻市、安曇野市、大町市、池田町、松川村、白馬村、小谷村、麻績村、生坂村、山形村、朝日村、筑北村、木曽町、上松町、南木曽町、木祖村、王滝村、大桑村
諏訪市、岡谷市、茅野市、伊那市、駒ヶ根市、飯田市、下諏訪町、富士見町、原村、辰野町、箕輪町、飯島町、南箕輪村、中川村、宮田村、松川町、高森町、阿南町、阿智村、平谷村、根羽村、下條村、売木村、天龍村、泰阜村、喬木村、豊丘村、大鹿村
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新潟県:妙高市、上越市、糸魚川市、柏崎市、十日町市、長岡市、小千谷市
山梨県:北杜市、甲府市、韮崎市、甲斐市、笛吹市
岐阜県:飛騨市、高山市
安曇野市のコウモリ駆除対策のFAQ
豊科高家地区、三郷明盛地区、穂高地区周辺での被害相談が特に集中しています。犀川などの河川や田園地帯、用水路が入り組む環境は、コウモリの餌となる昆虫が豊富に発生するため、アブラコウモリにとって最適な生息環境となります。
根本的な解決は困難です。動物行動学の「馴化(慣れ)」により、一時的にコウモリが逃げても「実害がない」と学習し、元のねぐらに戻ってしまいます。
CDC(アメリカ疾病対策センター)のガイドラインでも、超音波や化学的忌避剤は排除に効果的ではないと公式に見解が出されています。
自然にいなくなったわけではなく、断熱材の中など建物のより深い場所で冬眠(休眠)している可能性が高いです。糞が落ちない冬の期間こそ、見えない内部で建材へのダメージが進行しているため、自己判断での放置は危険です。
高い確率でアブラコウモリによる被害です。「外にいるだけ」と認識されがちですが、妻飾りのわずかな隙間を抜け、天井裏の断熱材まで侵入して大規模な糞尿被害を引き起こしているケースが大半です。
コウモリの心理(嫌がる音や匂い)に頼るのではなく、専門機器で完全に追い出した後、侵入経路を物理的に「閉鎖・遮断」することが唯一の根本解決策です。加えて、蓄積した糞の除去と、吸血性ダニの殺虫消毒作業が必須となります。
日本には約35種、長野県内には19種のコウモリが生息しています(出典:『識別図鑑 日本のコウモリ』コウモリの会編、佐野明・福井大監修)。
安曇野市単独での正式な生息種数の報告はありませんが、河川・田園・山麓環境を有するため、複数種が生息していると考えられます。安曇野市のコウモリ住宅被害の8割はアブラコウモリによるものです。
野生動物と人間の「境界線」を整える専門家として
今回の事例のように、コウモリ対策は、コウモリを知りつくした専門技術が必要です。私は「野生動物の仕分け屋」として、科学的根拠に基づき、曖昧になった人間と動物の境界線を物理的に再構築します。
かわほりプリベントの専門性と実績
- 研究・学術活動
- 日本ペストロジー学会にて「コウモリの低所侵入事例」等の研究発表を行い、常に最新の知見を現場にフィードバックしています。
- 製品開発
- 株式会社バーテックと共同で、窓サッシの弱点を補完する防虫資材「ムッシバリア」の監修や、コウモリ対策製品の共同開発を行っています
- 講演メディア活動
- 松本保健福祉事務所でのトコジラミ講演や、SBC信越放送「もっとまつもと!」でのレギュラー解説を通じ、正しい野生動物対策の普及に努めています。
事業概要
| 項目 | 内容 |
| 屋号 | かわほりプリベント |
| 代表者 | 山岸 淳一(ワイルドライフオペレーター) |
| 所在地 | 長野県塩尻市片丘10387-3 |
| 電話番号 | 090-9668-1975 |
| 所属学会 | 日本哺乳類学会、日本ペストロジー学会 |
| 主要取引先 | 信州大学、信州大学医学部附属病院 等 |
この記事の執筆者・監修者
山岸 淳一 (Junichi Yamagishi)
長野県を拠点に活動する「野生動物の仕分け屋」。かわほりプリベント代表。動物と人間との曖昧になった境界線を整えることを使命とし、重要文化財から一般宅まで実績多数。SBC信越放送「もっとまつもと!」にレギュラー出演中。三度の飯よりコウモリが好き。
参考文献
- 馴化の総説
Ardiel & Rankin 2017 “Habituation as an adaptive shift in response strategy mediated by neuropeptides”
→ https://www.nature.com/articles/s41539-017-0011-8 - 匂い忌避剤レビュー
Dolbeer & Belant 1998 “Odor animal repellents: Are they effective?”
→ https://www.pctonline.com/article/odor-animal-repellents–are-they-effective-/ - NIOSH ガイドライン(予防ページ)
NIOSH “Preventing Histoplasma Exposures in the Workplace”
→ https://www.cdc.gov/niosh/topics/histoplasmosis/preventing.html
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